アストンマーチンV8、車検終了!
2004/10/31
夕刻、ケントスピードから電話がある。
アストンマーチンV8のナンバーが付き、作業が終わったとの事。
さっそく、スーパーセブンで駆けつける。
何で車を取りに行くのに車で行くのかと言うと、セブンのタイヤを交換してもらうためだ。
もう、まともに走れないくらい減って、固くなっている。
また、ホイールの塗装がかなり剥げ落ちているので、塗り直しも頼むため、日数がかかるのでアストンと入れ替えで置いてくるのだ。
ケントスピードに着くと、仕上がったアストンマーチンが待っていた。
ドライビングランプとウインカー、ナンバープレートが着くと顔が引き締まり、精悍な感じになった。
まだ、ブレーキが弱いのと、細かい部分にまだ直すべき部分が点在しているが、一通り走るには足りる状態にはなった。
後は走りながら少しずつ調整箇所を探していく。
今後の参考用にと、ワークショップマニュアルを預けて行く事にした。
ついに、今日からアストンマーチンのオーナーである。
塚原社長は、「今だから言うけど、始めて届いた車を見た時は、こんなポンコツ買って走らなかったらどうするつもりだろうと思った」そうだ。
まぁ、私としては本当にダメなら、またヤフオクで売れば同じくらいの値段でどうにかるだろうという算段があったので、あまり恐れてはいなかったのだが。
また、賭ではあるが、なんとか直ると思っていた。
予想通り、この車は暫くの間、誰も調整ができなくて持て余していただけで、車自体が壊れているわけではなかった。
ウェーバーのレーシングキャブレター自体、そんじょそこらの自動車屋じゃまともに調整できないのに、それが8気筒全部に一つずつ口が開いている。
キャブ調整が難しいだけならまだしも、V8エンジンのプラグコードの順番すら間違っていたらしい。
そりゃエンジン回らないはずだ。
丸一日と20リットルのガソリンを費やして調整されたアストンマーチン・ラゴンダの5340ccV8エンジンは、実に味わい深い音で回るようになっていた。
エンジンさえ回れば、後はこっちのものである。
シートは傷んでる上に、前のショップが売る前に染め直した塗料が縮んでひび割れが酷くなっていたが、これは追々張り替えるかどうかしよう。
リアシートはまだ綺麗だし、車内は煙草の臭いがしなかった。
塗装も年式の割には、まずまずである。
部分的に何度か塗り直したのだろう。
「この車は、よほどの車好きか、ホンモノのお金持ちじゃないと買わない車だ」と、塚原社長。
ちょっとお金があるくらいだと、もっと誰もが一目見て高いと分かる車種を選ぶ事が多いが、この車は言われないと1000万を超える車だとは分からない。
お金を持ってる事をアピールする必要がないくらい、本当にお金のある人が買う車である。
実際、当時のカーグラフィックスを読むと、日本ではこの車のオーナーの25%はショーファー・ドリブンで、お抱え運転手に運転させていると書いてあった。
確か、昔ニュースで落合選手がV8系に乗ってる映像を見た事がある。
いずれにせよ、私には分不相応な車である事は間違いない。
ヤフオクで100万円代だったから、やっと手が届いたようなものだ。
しかも普通に考えて、100万円代のアストンマーチンなんて、走るようになるまで数百万円かかるところだ。
かなりアタリを引いた感じである。
タイヤ交換のためにセブンを置いていくついでに、通販で届いたクイックブライトを社長に見せた。
例の福野怜一郎著「極上中古車の作り方」に載ってた万能クリーナーだ。
そしたら社長は、すぐ店のメカマンに「おい、これ試してみろ」と渡して、自分用のセブンのシートで試し始めた。
と言っても、買ったばかりで使い方がよく分からず、私が「極上中古車の作り方」に書いてるのを読んで、その通りにシートを拭いてみてもらった。
そしたらびっくり。
マジで綺麗になった。
よくあるカーセンターにあるケミカルを使った時のようなテカテカではなく、まるで新車の時のような半艶のしっとりしたレザーに戻ったのだ。
新人のメカマンが、数日前にオートグリム(英国製カーケア用品)かけたばっかりなのに……と言っていた。
どんなに拭いても白っぽさが消えなかったと言う、側面の内装パネルも、綺麗に艶が戻っていた。
それを見て社長は「後で払うから、今日はこれ置いてってくれよ」と。
そりゃ、この効果を見たらそういうのも頷ける。
私もこんなに如実に効果が出るとは思わなかった。
自分用にもう一つ買って、アストンマーチンに使ってみようと思う。
スーパーセブンのオーディオスイッチと、赤いビニールシートを貼った所を見せたら、ちょっとウケた。
ただスイッチの世代が違ってるので、古いスイッチが手に入らないかと尋ねたら、社長がリアフォグ用のスイッチを一つプレゼントしてくれた。
これは、格好よくしあげなければ。
オーディオスイッチは再挑戦しよう。