スーパーセブンのAアームのゴムブッシュ交換。
2005/06/30(木)
Aアームの付け根のゴムブッシュの部分が、強い加速時にコンと音がするようになった。
ヤバイので交換のためケントスピードに持って行く。
交換を怠ると、Aアームの付け根と、デフの金具部分に衝撃が加わり劣化する。
その部分が金属疲労で折れると、リジッドアクスルの前後方向と横方向と回転方向の固定がいっぺんに外れる。
走行中に折れると、デフが回転してタイヤがロックしてコントロールがきかなくなり、また、デフの位置が持って行かれるのでプロペラシャフトが折れるそうだ。
最悪、プロペラシャフトが回転しながらセンタートンネルを突き破って搭乗者に刺さる事もあるらしい。
そうならないように、ゴムブッシュは早期交換しなければならない。
ロータスの創始者、アンソニー・ブルース・コーリン・チャップマンは、初戦で壊れないマシンは重すぎるマシンだ、と言ったそうだ。
強度にマージンを取りすぎて重いから壊れないのだ、と言う意味だ。
ギリギリまで軽く作り、初戦で壊れたらそこだけ強化すれば必要充分な強度と軽さを得る事ができるという考えだ。
セブンが最初に設計されたロータス時代は、タイヤも細ければエンジンの馬力も小さく、このAアームで充分だった。
フロントのIアームとスタビライザーで組まれたセミ・ダブルウィッシュボーンも、力がかかればタイヤの方が先にグリップを失うので、強度的には充分だった。
しかし現代の、馬力が上がり太いハイグリップタイヤを履いたスーパーセブンでは、サスペンションにかかる負荷が遙かに増大していて、当時のAアームやIアームの構造では耐えきれなくなっているのだ。
現代のケーターハムのスーパーセブンでは、リジッドアクスルをドディオンアクスルに変更して、リジッドの特性を残したままデフを車体側に完全に固定して安全性を高めると共にバネ下荷重を下げ、Aアームも数度のモディファイを経て、元のAアームの特性を残したまま耐久性を向上したH型アームとなっている。
フロントのセミ・ダブルウィッシュボーンも、完全なダブルウィッシュボーンに改められている。
ケントスピードには、リジッドアクスル時代のAアームを、下部トレーリングアームとラテラルロッドを加えた5リンクにも改造するメニューがあるという。
今まで50台以上、改造した経験があるそうだ。
凝った物にはワッツリンクに改造した事もあるとの事。
基本的に、リジッドアクスルのセブンを安全に乗るための改造だそうだが、Aアームを捻る方向の動きがスムースになるため、足回りの性能もスムーズで良くなるらしい。
また、フロントサスペンションのIアームを廃止して、完全なダブルウィッシュボーンへの改造も出来ると言う。
ゴムブッシュの交換が面倒で、変わりにウレタンの強化ブッシュを入れる人もいるらしいが、これはゴムのように捻られないため、Aアームへ余計に大きなストレスを与えて、事故の発生を高めるそうだ。
ゴムブッシュをピロボールに交換する人もいるらしいが、ピロはゴムのように衝撃を吸収しないため、やはり金属疲労を早め、事故の発生が高くなるそうだ。
塚原社長は昔、サーキットでご自身のセブンのAアームを折った経験があるそうで、その時はたまたま低速時で大事に至らなかったそうだ。
その事故の後、セブンに乗るのを止めようかと思ったくらいだそうだ。
まだドディオンアクスルのモデルがなかった時代に、それでもセブンに乗りたくてしょうがなくて、万が一、プロペラシャフトが折れた時に搭乗者に危害を及ばさないようセンタートンネル内に鉄パイプを通したりとか、様々な方法を試行錯誤したそうで、最終的に、比較的リーズナブルな方法でリジッドアクスルを安全にする5リンクへの改造に辿り着いたそうだ。
今まで1点で支えていた力を、3点で受け止め、元からある2点と合わせて計5点で支える。
1点にかかる力も小さくなっているので、ピロボールを使ってかっちりした滑らかな動きにできるそうだ。
うむむ。
リアのAアームのマルチリンク化とフロントのIアームのダブルウィッシュボーン化……今後の課題として考えよう。
長く乗るつもりだから、これはやった方がよさそうだ。
エンジンのヘッドのオーバーホールもやんなきゃなんないし、課題が多い。
ちなみに、アストンマーチンV8も、リアサスペンションはドディオンアクスルだ。
左リアタイヤも一緒にチェックしてもらう事に。
以前の事故で、ホイールが少し歪んでいる可能性があるらしい。
今のホイール自体、既に寿命がきていて、一番程度の良いホイールを前輪に付け、程度の悪いホイールを後輪、一番程度の悪い物をスペアに振ってある。
左のリアが振れて見えたというのは、もうホイールがダメなのかもしれない。
いっそ新品に交換か。
フルブレーキの時に、リアの左からロックする傾向があるので、リアのブレーキのバランスもチェックしてもらう。
頼んでおいたSTACKのタコメーターと、雨の季節に備えて熱戦デフォッガー入りのフロントスクリーンも交換してもらう。
ブルーバードを代車に借りて帰る。
日頃、普通乗用車に乗る機会がないので結構楽しい。
今日は〈バットマン・ビギンズ〉を観た。