2017.05.28

JRSA F4 チャンピオンシップ 第2戦

2017/05/28(日)
 中古で、F4レーシングニーラーを購入する。

 West Racing Cars製 TOMBOY
 エンジンはホンダの2サイクルCR80のもの。
 フレームはスチールパイプ。

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 レースで勝ちに行くなら、今なら第1戦で借りた新しいPowerPipe製のアルミフレームのモデルの方が軽量だし、パッセンジャーのフォームもF2に近いので、F2にステップアップするにもいい。

 しかし今回は、あえて昔から定番のTOMBOYを選んだ。
 この形が好きだ。
 何かの時に、自宅ではアルミ溶接ができないというのもある。
 スチール製パイプフレームなら、アーク溶接機を持っているので、ごく簡単な部分ならどうにかなるだろう。

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 遠目にはサイドカー≒バイクに見えるし、事実バーハンドルやパワートレーンはバイクの部品なのだが、実際は二輪構造を持たない三輪構造の一体型フレームで設計されている。
 そもそも、後輪が右にオフセットしているので、前輪と後輪が一直線上にはなく、もし仮に側車を無理矢理切断したとしても、単車として真っ直ぐ走る事はできない。
 TOMBOYは、ラジエーターやアウトボードブレーキが側車側にあるので、切断したら走行自体が不可能だ。
 F1、F2では、燃料タンクまで側車側だ。
 F1に至っては、モノコックフレームが側車側なので、側車がなくなると本車どころかタイヤまでなくなる。
 構造的には二輪車+側車ではなく三輪自動車だ。
 バイクと言うより、トライク≒オープンカー・バギーに近いだろうか。
 車高を極限まで低くしたATVという感覚もある。

 運転も、操作系はバイクの部品だが、運転感覚は四輪に近い。
 ドライバーが手を離しても転倒しない――当然だが、この差はすごく大きい。
 トレッドと重心高の比率は完全に自動車だ。
 異常なほどの車高の低さから来る安定性のため、一般的な前一輪トライクで良くあるような転倒の心配もない。
 旋回時も二輪のようなバンクはせず、四輪のようなロールの力が働く。
 タイヤがグリップを失っても二輪のような転び方をしないので、四輪的なアンダーステアやオーバーステアが出る――ただし左右非対称で、しかもパッセンジャーが重心を移動するので、四輪とも特性は異なるのだが。

 これは、バイクの操作で乗る、三輪の、オープンカーだ。
 バイクに乗るオープンカー好きとしては、これはとても素敵な乗り物だ。

 パッセンジャーの姿勢も、TOMBOYは独特だ。
 PowerPipeのマシンはF2に近い姿勢で、左コーナーでは腰を落とす感じで乗る。
 しかしTOMBOYは、寝そべるように外に出るので、頭の位置が更に低い。
 視線が低いので、スピード感も更にすごい。

 PowerPipeのマシンは右コーナーもF2に近い姿勢だ。
 しかしTOMBOYでは、右膝を立てる乗り方がある。
 パッセンジャーは、膝を立てず低い姿勢で這うように移動した方が、重心を低く保てて良いそうだ。
 移動が荒いとドライバーのハンドルに影響するので、膝擦りでなめらかに移動するのが良いという。
 F2に上がるなら、TOMBOYの膝を立てるクセがつかない方が良いと言う。

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 マシンは、レース当日受け渡しだったため、色々と準備不足でトラブルに見舞われてしまった。

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 ドライバーの体格にペダル類の調整を追い込みきれず、シフトチェンジが完全にできずエンジンに過負荷をかけてしまった。
 田村監督はスネのバランスが長いため、シート位置に着くとペダルを余計に蹴ってしまう。
 シフトを上下方向に蹴るバイクと違って、前後方向に蹴るレーシングニーラーでは、足首の動きで足りない動きを、脚の動きで足すことができないので、調整が合っていないと上手く乗れない。
 正シフトなので、体にかかる加速減速のGと、シフトのアップダウンの方向が逆に働くので、余計に操作しにくかったそうだ。
 レーサーシフトにしたF2だと、加速G時に蹴ってシフトアップ、減速G時に蹴り上げてシフトダウンができて乗りやすいそうだ。

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 ブレーキペダルの初期位置も同様に、前寄りになってしまっていた。
 そのため、リアブレーキを引き摺っていたのに気付かずに走ったため、オーバーヒートと共に、ブレーキディスクの異常過熱で出火してしまった。
 予選走行中に、目前のリザーブタンクが沸騰を始めたので、ドライバーの背を叩いて合図し、停車したらリアカウルが燃えていた。
 その時に後を走っていた人の話では、ブレーキディスクが赤熱しているのがリアカウルのスリットから見えたそうだ。

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 停車してすぐに、リザーブタンクを引きちぎって冷却水をかけが消火せず、近くを走っていたチームが停車して消火を手伝ってくれた。
 最終的には、駆けつけたコースマーシャルが粉末消化器で消火してくれた。

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 カウルのFRPが燃えただけなので、走行には問題なかった。
 この部分に関しては修理は大した事はない。
 FRP工作ですぐに治る。

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 大急ぎで消化剤を洗浄して復旧し、ペダルを調整して本戦に参戦した。
 しかし、その後のエンジンの不調でリタイアしてしまった。
 残念。

 次は完全な状態で挑みたい。

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2017.05.13

The Flatfishes Racing 体験走行NIGHT

2017/05/13(土)
 The Flatfishes Racing 5.13体験走行NIGHT に田村監督と共に参加。
 あいにくの雨天であったが、とても楽しい。

 安田氏にパッセンジャーとして乗せてもらう
 本物のレーサーが操るスピードはすごい。
 マシンはPowerPipeアルミフレーム

 自分のヘルメットを忘れてしまい、サーキットのヘルメットを借りて乗る。
 雨のせいもあって、バイザーがすごく曇る。
 水たまりの上を走ると、エアインテイクを通った水飛沫が、ラジエーターを通り、正面から水を被る。
 パッセンジャーハンドルから手を離せないので、バイザーを拭く暇はない。
 せっかく自分のヘルメットには曇り止めのPINLOCKをつけておいたのに、活躍の機会を逃して残念だ。

 レーシングニーラーはバイクのようなウイリーをしない分だけ、アクセルを余計に開けられるのだろうか? 
 加速も、減速も、横Gもすさまじく、Gに耐えるのに全身の体力を使う。
 今日は雨だったが、路面が乾いてもっとグリップしていたら、もっとGがすごかっただろう。

 コーナーでは体を支えている脚に、リアタイヤがジリジリジリジリ……とスライドする感覚が伝わってくる。
 右ヘアピンで2度ほどスピンしたが、ジリジリジリズ――ッ! とGが抜けてグルンと回る瞬間、自分はハンドルを握っていないのにの「今の惜しかった!」感が伝わってくる。


 買ったばかりの、ドイツdaytona製のサイドカーレース用のブーツを使ってみた。
 足首が動きやすい蛇腹になっていて、地面で擦りやすいつま先のゴムが分厚い。
 パッセンジャー用はスネの部分がプロテクターで保護されていて楽だ。

 このブーツを履いて、レーシングスーツの裾をブーツの外に出す。
 裾をブーツの中に入れると、ブーツシャフトのトップエンドがプラットホームに引っかかって、動きの邪魔になると言う。
 裾を中に入れる場合は、ブーツのトップエンドをテープで巻く人もいる。

 後続車の車載カメラに映るよう、ソールにロゴが入っているのが面白い。
 海外レースのオンボードカメラでよく見る靴底である。

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 ドライバー用のブーツは、ブーツシャフトが短くて、右足の甲に保護パッドがついている。
 左側車のレーシングニーラーでは、右足でシフトチェンジするためだ。

 しかしF4は、バイクと同じ左脚シフトだし、日本では日常のバイクと混同しないようF1、F2でも左の正シフトにしている方が多い。
 ドライバーブーツにも左パッドのモデルが欲しいところだ。

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 雨天で路面が水浸しであるが、折角の夜走行なので、スパーキースライダーの実験をしておく。

 バイク用のレーシングブーツには、つま先にチタニウム製のトースライダーがついたモデルがある。
 レーシングスーツにも、肘にチタニウム製のエルボースライダーを着けられるモデルがある。
 これらは、コーナーでバイクを傾けた時、肘やつま先を路面に擦ると火花が出る
 ケニー・フォレイトロイ・ベイリスなどが有名だ。

 チタニウム粉は火花が出やすく、映画の撮影に使う火薬にも「チタン弾着」と呼ばれる火花を跳ばす製品がある。
 フラッシュはマグネシウム、鋭い火花はチタニウム、大きく舞う火花は雲母と、使い分ける。

 チタンスライダーは、火花を跳ばすのが目的ではない。
 つま先は、膝に付けるニースライダーのような厚みをとれないので、耐摩耗性の高いチタニウム合金を使っている。
 耐摩耗性の高いジュラコン(ポリアセタール)を使っていても、樹脂製は減りが早い。

 膝用にも、OxfordやMotraxからチタニウムがインサートされたニースライダーが発売されている。
 これは逆に、火花を跳ばすのが目的で、スパーキースライダーと呼ばれていて、コーナーで膝を擦ると火花が出る
 その昔、80年代の峠では、ジーパンの膝に潰した空き缶をガムテープで撒いて火花を散らしながら走る遊びが流行っていたが、それをちゃんと製品にしたものだ。

 レーシングニーラーの場合は、アススライダーと呼ばれる腰につけるスライダーが海外で売られている。
 試しに取り寄せてみたところ、ニースライダーと似たものだった。
 腰の形に合うように内側がRになっている。
 プラットホームにひっかかりにくいようにだろうか、薄めで、丸くて角がない。
 日本のパッセンジャーだと、スライダーではなく、革やケブラー繊維のパッチでスーツを保護している方を見る。
 ひっかからないので、スライダーより良いそうだ。

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 レーシングスーツの腰回りにスライダーベースをつけて、レーシングニーラーでも膝用のスパーキースライダーが使えるか試してみる。
 F4のコーナーのスピードでも充分火花が出る事が確認できた。
 低速の直線でも火花が出るので、80年代のタイヤのバイクを無理に倒して膝を擦るような怖さはない。
 実に面白い。

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2017.03.05

JRSA F4 チャンピオンシップ 第1戦

2017/03/05(土)
 JRSA F4 チャンピオンシップ 第1戦。

 最初は「体験走行ができたら」という話から、JRSA F4事務局の飯島会長から「二名いるならエントリーしておくから」という話になり、なんとレースに出場する事に。
 バイクレースの経験があり、レーシングカートも乗っている田村監督がドライバーに。
 バイクレース用の装備を一通り持っているので、そのまま出場できると言う。
 自分は、サーキット走行はスーパーセブンで走行会に参加する程度の腕なので、パッセンジャーとして参戦する。

 カーナンバーは「33」。
 二桁が空いてるとの事で、去年の仕事で縁のあった「77」と「33」を候補で出したら、「77」は埋まっていたので「33」で決まる。

 マシンはPowerPipe製のF4レーシングニーラーを借りての参戦。
 エンジンはCRF150の4サイクル150cc。
 2サイクルモデルのようなピーキーさがなくてパワーバンドが広いので初心者にも優しい。
 アルミフレームの軽量モデルで、パッセンジャーのフォームもF2に近く、将来F2にステップアップするための練習にもいいと言う。
 F2マシンのLCRフレームにも似ている。
 反面、フレームの剛性が高いため、乗り味は固いとの事。
 F4はサスペンションがないので、衝撃がダイレクトだ。
 スチールフレームのTOMBOYだとパイプフレームのしなりが、わずかながらサスペンションの働きをすると言う。

 レーシングニーラーは、二輪バイクのようなリーン(バンク)はせず、四輪のようにハンドルを切って曲がる。
 そのため、タイヤはバイクのような丸断面ではなく、自動車のような角断面だ。
 F4では、レーシングカート用のタイヤを履く。
 F2の場合は、四輪のF3用タイヤの金型で作られた、レーシングニーラー専用のバイアスタイヤを履くそうだ。

 バンクによるセルフステアのバイクと違って、ステアリングは腕力で切る。
 にも関わらず、ステアリングラックの増力なしでバイクのようなハンドルを切らないといけないので、ハンドルバーはとても重い。
 腕の力だけでレースを走りきるには、かなりの腕力が必要だ。
 なので、コーナーによってドリフトを上手く使わなければいけないと言う。

 バイクのパーツが使われているが、特性はバイクではなくレーシングカートに近い。
 と言っても、二輪とも四輪とも違う特性で、しかも右コーナーと左コーナーでも特性が違う非常に特殊なマシンだ。
 もっと言うなら、パッセンジャーの姿勢によって常に特性が変わる。
 ものすごく複雑だ。

 「F4」は日本独自のカテゴリーだそうだ。
 4サイクル1300ccまでの「F1」(今後600ccまでになるらしい)、4サイクル600ccまでの「F2」に比べて、それらよりもうんと排気量の小さいマシンが「F3」を名告るのはおこがましいとの事で、「F3」を飛ばして「F4」と名付けたそうだ。

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 F1やF2では、ブレーキペダルで3輪同時にブレーキをかける。
 右手のブレーキレバーは予備で、パドックでマシンを手で押して移動する時に使う。
 右手にレバーがついていないマシンもある。

 対してF4は、バイクと同様のブレーキシステムを持つ。
 バイクのように右手が前輪ブレーキ、右ペダルが後輪ブレーキ。
 側輪はフリーでノーブレーキだ。
 左右非対称のマシンで、しかもパッセンジャーの姿勢で重心が大きく変化するので、ブレーキング時の挙動も特殊だ。
 F4では、初心者は前輪ブレーキは使用しない方が良いと言われている。
 最初から前輪ブレーキを外して走る事もあると言う。

 その事をよく理解せず、交替でドライバーとして走った時、バイクのクセで前輪ブレーキをかけた瞬間、右にハンドルを取られた。
 右前輪を支点にして、左の重さが前に飛び出す感じだ。
 上級者は、そういった特性を利用して速く走ると言うが、初めての事だから何が起こったか分からず対処ができなかった。
 セブンでタイヤがロックしてハンドルが効かなくなった時のセルフABSのクセで、咄嗟にブレーキをリリースしたが、さらに右に逸れそうに思ってしまい、再ブレーキができない。
 しかしそれでは速度を落とせない。
 左コーナーのアウト・イン・アウトに備えて、右いっぱいに寄せたストレートからのフルブレーキだったので、右に逸れたまま、右側面のウレタンバリヤーの列に突っ込んでしまった。
 無理に左に切って、ヘアピンのアウト側に正面から衝突するより、横のウレタンバリヤーの例に沿うようにぶつかった方が被害が少ないと思ったのもある。

 初っぱなからすごい経験になってしまった。
 プロテクター全部乗せで怪我をせずに助かった。
 一番痛かった場所は、去年のバイクでの転倒がキッカケで上がらなくなっていた左肩が、マシンから放り出された際に上げたくない角度まで上がった事だった。
 しかしなんと、クラッシュの後、その肩が上がるようになっていた!
 ピットインしてフロントタイヤを見たら、やはりロックしたのだろう、タイヤにフラットスポットができていた。

 本戦では、ドライバーの田村監督のブーツがバイクレース用のものだったため、シフトチェンジがうまくできず、速度が出せないまま最下位で終わってしまった。
 ドライバーの方も、サイドカーレース専用のブーツか、足首の動くツーリングブーツでないと上手く運転できないのだ。

 ロガーによると、このコースでの1位のマシンの最高速度は約60km/hで、我々の最高速度は約40km/hだった。
 後で撮影したビデオを見ると、我々のチームは実にのどかに走っているように見える。
 クローズドサーキットだと言うのに、ロードレースのマン島TTのように一気にごぼう抜きされている。
 幅の狭い公道で、車幅のあるレーシングニーラーが走るロードレースでは、早いマシンに接近されたら競らずに抜かせるのがマナーなのだそうだ。
 我々は動くシケイン状態だったので、それ以前の問題である。
 しかし、乗ってる側は視点が地面の間近なので、40km/h以下であってもスピード感はものすごい。
 体感的には100km/h以上だろうか?

 波瀾万丈だったが、非常に面白い体験だった。

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2017.02.27

レーシングスーツの購入

2017/02/27(月)
 サードカーレースに参戦するにあたり、レースに使える規格のヘルメットとレーシンググローブを持っていないので、新しく買う事に。
 町乗り用ではないので、店員さんに聞きながらできるだけ良いものを選んだ。

 ヘルメットはSHOEIのX-Fourteen、グローブはAlpinestarsのGP TECH LEATHER GLOVE
 とても変な姿勢で乗るので、念のためにネックプロテクターも買う。
 ヘルメットによって鎖骨を折らないためのプロテクターだ。
 こんなもの誰も着けていないのでいらないかもしれないが、上手い人たちとは違うので念のために使う。

 皮つなぎ、レーシングインナーと、一揃え買う。
 皮つなぎは、まずは安めのものを。
 サイズの事もあるので、ある程度わかってから高いものに買い換える方が、わからずにいきなり高いものを買うよさそうだ。

 ついでにチェストプロテクターと脊椎パッドも買い足す。
 必須ではないがサーキットからは推奨されている。
 いつもバイクで使ってるチェストプロテクターは頑丈そうなのだが、バイク用エアバックを着る時に使うものなので、そのままだとレーシングスーツに固定できない。

 ブーツは足首を守れる物を、と言われていたので、いつも使ってるショートブーツで良いだろう。
 バイクレース用ブーツは、パッセンジャーの場合はプロテクター部分が引っかかって邪魔になると聞いていたので、あえて買わなかった。
 ショートブーツに合うよう、ニー&シンガードを買ってみた。
 実際に履いてみると、レーシングスーツのニープロテクターとぶつかるので、ニー&シンガードのニー部分をナイフでカットして、合わせた。
 これで、レーシングニーラーの固いプラットホームに正座でぶつけてもスネが痛くないだろう。

2004.10.24

通販グッズ系ケミカル。

2004/10/23

 楽天の通販で買ったグッズが届いている。
 一つはオーリー。
 もう一つはクイックブライトだ。
 液体ワックスのゴールドグリッターの調子が良かったので、この種の通販系ケミカルを少し使ってみようかと思い、注文した。

 スーパーセブンが修理中、スクーターで移動をしていたのだが、これがまたもうガタガタのオンボロで、全然走らなくなっていた。
 低速トルクが全然なくて、出足が加速せず、加速しないから回転数が上がらず、全然スピードが乗らない。
 300mくらい走って運がよければ、勢いがついてある程度トルクの出る回転数に入り、そこからはまともに走れるのだが、信号にかかって止まると最初からやりなおしだ。
 もう寿命なのかと思って諦めていたが、試しにセブン用に使っていたガソリン添加剤を入れてみた。
 ウチのスーパーセブンはまだ有鉛ハイオクの時代のエンジンなので、ガソリンは無鉛ハイオクにバルブシート潤滑の添加剤を入れて走っている。
 何分古いエンジンなので、時々、潤滑だけでなく清浄剤の入った添加剤も使っている。
 その清浄剤を入れたガソリンでしばらく走ってみた。
 その添加剤を一本使い切る頃だろうか。
 スクーターのエンジンが蘇った。
 加速するのである。
 これには驚いた。
 清浄剤と言っても気分の物であって、別に顕著な効果があるとは思っていなかったのだが、マジに効いたのである。
 まさかと思ったが、これはいけると思い、呉工業のエンジンクリーナーをキャブに噴射した。
 今では完調である。
 エンジンも一発でかかるし、加速感もいわゆる元気のいい新しいスクーターの加速である。
 おそらく、ガソリンのガム質か何かがキャブに詰まっていただけで、それを清浄剤が溶かしたのだろう。
 これに気を良くして、この種のケミカルや添加剤は、馬鹿にせず使ってみる事にした。
 もちろん、すべてが効くとは思っていない。
 中には本当に眉唾のものもあると思うし、これは絶対デタラメだと思うものもある。
 添加剤自体に、車のゴムや樹脂、金属に対する攻撃性があったり、添加剤の固形分が悪さをする事もあると言う。
 常用するのは良くないし、添加剤を入れたまま乗らずに置いておくのもかえって悪影響があるらしい。
 過信せず、たまに使う程度にとどめて、上手く利用するのが良いのだろう。

 今回購入したオーリーは、テレコンワールドでお馴染みのNASAの技術を使ったとか言うハイテクポリマーワックスみたいなものだ。
 ロールスロイスのボンネットの上にベンジン撒いてハンバーグを焼くパフォーマンスをやっていたワックスだ。
 クイックブライトは万能洗剤。
 福野礼一郎著「極上中古車を作る方法」の中で多用されていた。
 理論派の氏の著書は非常に勉強させられる事が多い。
 その氏が自分のロールスロイスのレストアで随所に使用しているわけだから、これは信用していいだろう。
 テレコンワールドでマイク・レビーとジョン・パーキンとイアン・ロングが100のアピールを重ねるよりずっと説得力がある。
 アストンマーチンもロールスロイスと同じコノリーレザーなので、手入れに使ってみようと思う。
 オーリーの方は氏が勧めてないから、あまり大きな期待はしない方がいいかもしれないが、一度使ってみたかったので試してみようかと思う。

 写真は後で掲載。

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